屍の孤島
「あ、待って!」
奏が梨紅を追おうとする。
たった一人で外に出て行くのは危険だ。
秀一の言う通り、全員で行動した方がいい。
しかし。
「放っておきゃいいじゃねぇか」
建物内にそんな声が響いた。
その場にいる全員が振り向く。
…発言したのは黒いジャケットの男、鏑木だった。
柱にもたれ掛かり、懐から取り出したマルボロを一本咥えて、火を点ける。
満足そうな表情で煙草を吸うその姿は、いたって冷静。
とても異常事態に直面しているとは思えないほどの落ち着きぶりだった。
「口喧しい小娘が勝手に出て行ってくれた。これで心置きなく煙草が吸えるってもんだ」
奏が梨紅を追おうとする。
たった一人で外に出て行くのは危険だ。
秀一の言う通り、全員で行動した方がいい。
しかし。
「放っておきゃいいじゃねぇか」
建物内にそんな声が響いた。
その場にいる全員が振り向く。
…発言したのは黒いジャケットの男、鏑木だった。
柱にもたれ掛かり、懐から取り出したマルボロを一本咥えて、火を点ける。
満足そうな表情で煙草を吸うその姿は、いたって冷静。
とても異常事態に直面しているとは思えないほどの落ち着きぶりだった。
「口喧しい小娘が勝手に出て行ってくれた。これで心置きなく煙草が吸えるってもんだ」