屍の孤島
一気に十体近いゾンビが、奏の運転で倒されてしまった。

幾らゾンビとはいえ、人間の形をした者を轢くのは気持ちのいいものではない。

が、状況が状況だ。

手段は選んでいられない。

「危ないからどいてどいてぇ!」

アクセルを踏み締め、奏は車を発進させた。

それでも死ぬ事を恐怖と感じないゾンビ達は、奏を逃がすまいと車の進行方向に身を乗り出す。

その度に撥ね飛ばされるゾンビ達。

車体にぶつかり、アスファルトに叩きつけられ。

ゾンビ達はことごとく本当の亡骸へと変わっていく。

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