RESUME OF LOVE
Chapter3:夕暮れシンデレラ
この校門をくぐれなくて、百華の携帯に電話をかけてるのに留守番電話サービス。
共学ならではのうるささに耳を押さえたくなる。
バイトに遅れたくない。でも、いつまでも足止めをくらう。
『聖女の子がナンパしてるって嘘だと思ってたのに、マジで校門の前にいるよ』
『蓮のことだから嘘だと思ってたのに。』
ベランダから指を指されて、わたしの噂をしてる。共学って、こんなことが毎日なんだ。
だんだん腹が立ってきて、悩んでる自分が馬鹿みたい。ただテニスコートを探せばいいだけじゃん。
「キミ、困ってる?」
さっきベランダでわたしのこと噂してた二人組が、わたしの前にやってきた。
黒ぶちメガネの男の子と、髪がつんつんのチャラそうな男の子。
「友達にシューズを届けないといけなくて。テニスコートの場所教えてもらえますか?」
元はといえば、百華がテニスシューズを忘れたのが悪い。しかもわたしの部屋に。
「友達?彼氏だったら、男テニは場所ちょっと遠いよ。」
髪がつんつんの男の子が、ものすごく笑顔で言ってくる。
わたしが百華の友達だと説明すると、二人はすぐ女子テニスの部室を案内してくれた。