まだ…君に…恋してる       (最愛ダーリン番外編)
705号室


俺はまだどんな顔で
病室に入るか決めてなかった。


父がどんなにやつれてるかと
現実に向き合えるか
不安で仕方がなかった。



病室に近づくと
ちょうど母が出てきた。



「あ…肇・・・」

そう言うと病室に戻って
それから

「早く・・・」と言った。



「そんなに悪いのか?」



俺は慌てて病室に飛び込んだ。




「肇…悪いな…」


顔を半分
布団から出した父の目は
ぎょろぎょろしていた。


  やつれた……

「大丈夫か・・・・
もっと早くいってくれれば…
苦しいのか?」



「さっきまでずい分
苦しんでいたのよ……。
よかった肇が来てくれて……。」


俺の目が充血してるのがわかる。



「とうさん…
ごめんな……」


俺は父の差し出した
手を握った。



「よかったね…パパ…」

母の声が震えていた。
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