まだ…君に…恋してる       (最愛ダーリン番外編)
翔くんの思い出は
私を温かく包み込む・・・。


辛いことも
嫌なことも

翔くんを思えば
少しだけ救われる。


命をおとしたあの山にまだ
翔くんがいる気がして
私はなるべく近くであの山を
見ていたくて
あのマンションを借りた。


高いとこは苦手だったから
ベランダに出ることもできず
ただ窓一枚で
必死に暮らしている。



「翔くん おはよ」


「翔くん いってきます。」


山にむかって
声をかけるけど
翔くんの姿はない……。


いろんな男性からの誘いはあったけど
どれもときめかず……
そんなことがうっとおしくて
私は髪の毛を短くして
女から離れるように
身なりもジャージーなんかで
過ごすことが多くなる。



女を捨てたい



そう思った。
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