幕末純想恋歌
――――勝負は一瞬で決まった。


もちろん…、葵の勝ち。


「ありがとうございました、藤堂さん。」


「ありがとうございました。…ちぇ、負けちまった。かっこ悪りぃ…。」


爽やかな笑顔の葵と、ふてくされた顔の藤堂。


どちらも汗ひとつかいていない。

それほどまで速く決着が付いたのだ。


「女の子に負けちゃったね、平助?」


「るせぇ!!別に俺が弱かった訳じゃねえぞ!!そういう総司は……。」


ニヤニヤした笑顔の沖田。

「…勝ったんだったな……。」


落ち込む藤堂。


「わっ、別に藤堂さん弱くないですよ!?充分強いですっ!!沖田さんが異常なんですよ!?」

「だよ。僕が強かっただけだよ。で、僕と互角にやるこの子もね。平助は強いさ。だから、組長を任されてる。」


「お前今、自分強いってさらっと…。………。そうだな!!俺は弱くない!!でも、もっと強くなってやる!!越えてやる!!」

ニッと笑う。

「藤堂さんはもっともっと強くなります。また手合わせしましょう!!」

葵もニッと笑った。

「おう!!」


二人はコツンと拳を合わせた。
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