幕末純想恋歌
思わず、目を閉じる。


でも、衝撃がいつまでもこない。


「っあ、ぁ、ぁ。」


うめき声に、恐る恐る目を開ける。


男は、目を見開き固まっている。


そして、胸からは、鈍く光を放つモノが……。


不意に、それが引っ込みアカイモノが吹き出した。


自分に掛かったそれは、ぬるりとして、温かく、鉄の臭いがした。


これは、


血だ。

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