幕末純想恋歌

ポロポロ涙が溢れてとまらなかった。



「あらあら、おいでなさい?」


お梅が腕を広げている。



「…っ、アァァ…ッ、アァァッ…ワァーン!!」



お梅に抱き締められて、胸に顔を埋めて、声をあげて泣いた。




今日、家族ができた。



このふたりには、いつか、必ず言おう。

本当のこと。



ただ、今だけはこのままでいさせて。

温かいこの場所にいさせて。


すぐに元気になるから。


ずっとずっとこのままでいたいと、心から、神に祈った。



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