幕末純想恋歌
手を引かれて部屋を出る。


「そういえば、僕名乗ってなかったよね?僕の名前は、沖田総司といいます。」


……沖田総司?文久3年…幕末で?


「あの、もしかして此処は、新選…じゃなくて壬生浪士組ですか?」


男、もとい沖田総司は手を握る力を強くした。


この手は、逃げないようにするためかもしれない。


「よく分かったね。ここは、壬生浪士組の屯所だよ。やっぱり、ちゃんと話を聞かせてもらわないとね、葵ちゃん?」


にっこりとした、その笑顔に怖いモノを感じて、背筋を汗が伝った。
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