幕末純想恋歌
道場の中央に向き合って構える。

空気が張りつめていく。

「…始めっ!!」

静寂が広がる。

どちらも動かない。

互いの隙を探っている。

相手を睨みつけたまま。

(…沖田総司、本物だ。やはり強い。一瞬でも気を抜けば、負ける。) 

(…この子、強い。気を抜くと負ける。)

緊張感だけが張りつめていく。

まだ、どちらも動かない。
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