幕末純想恋歌
「……落ち着いたか、総司。」

まだ、呼吸の乱れている沖田に土方が声をかける。

「…ハァ、はい…、だいたい…は…。」

息を継ぎながら沖田が答える。

「…強いですよ…、この子…。僕が、ここまで本気出すくらい。…ヤラなきゃ、ヤラれると思うくらい。」

沖田が俯く。

「…こんなに興奮したのは、いつ以来だろうな。」

葵に視線を向ける。

「……女の子なのに、ちょっと悪いことしたな。本気で、殴っちゃった。」

呟いたとき、葵が微かに呻いた。

「……ぅ。」
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