幕末純想恋歌
「何がそんなに面白いの?」

あちこちきょろきょろ見回す葵に沖田が聞く。

「全部ですよ!!こういう風景初めてです!!畑も初めてです。」

それを聞いて沖田がちょっと目を丸くする。

「へぇ~?畑初めて?どんなとこに住んでたの、君?」

「ふつうの町ですよ?未来の京。」

「なら、未来はずいぶん変わったんだろうね。」

「そうですね。変わりましたよ、たくさん。だから、京楽しみです!!あとどれくらいですか?」

わくわくしている葵にクスクス笑う沖田。

「あとちょっと。目、キラキラさせて子供みたい。カワイイ。」

「子供って、カワイイって///」

やっぱりクスクス笑って子供扱いする沖田に悔しくてちょっと言い返してみる。

「さっきから子供扱いしないでください!!わたし、16ですよ!?」

「……うそ!!僕と三つしか違わないじゃん!!もっと下かと思ったよ。」

…………。

「拗ねないの。ほら、京の町だよ。見てご覧。」

言われて見た葵はその光景に、目を見開いた。
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