幕末純想恋歌
少し歩いたところで沖田と一軒の店に入った。

「あぁ、沖田さん。お久しぶりです。今日は、どのようなご用件で?」

店の奥に居たお店のおじさんが気付いて声を掛けてきた。

「この子に二、三枚着物を見繕ってくれませんか?あと、袴も一つ。」

そう言って後ろにいた葵を示す。

「おや、ずいぶん可愛らしいお連れさんだ。袴を穿いているが、よく見れば女の子じゃないですか。しかも、かなりの別嬪さんだ。この子は?」

「今度ウチで預かることになったんですよ。かわいいでしょう?」

愛想よく沖田が答える。

「本当に。ここまでの子初めて見ましたわ。まるでお人形さんみたいや。で、このお嬢さん着物と袴でしたなぁ。ちょいと待っててくださいな。」

おじさんがぱたぱたとお店の奥に入っていった。

  
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