幕末純想恋歌
「いろいろ貰えてよかったね。履き物も替えたの?」

「あ、良く気付きましたね。こっちの方が着物と合うし、大きさも良いからってお梅さんがくれたんです。」

「あ~、さっきまでの大きかったもんね。」

「はい。あ、そういえばさっきまで着てた沖田さんの着物、後で洗ってお返ししますね。ところで、今どこに向かってるんですか?屯所とは方向違いますよね?」

「甘味処。さっき話してたでしょ。」

「お菓子!!甘いもの大好きです!!楽しみっ!!」

「それにこのまま屯所に帰るのはもったいないし。君連れてると面白いのが見れるからね。」

「?どういうことですか?」

「こっちの話。」

「?」

さっきからすれ違う男達が葵を見て振り向き、男連れだと知り落胆していく。

そして沖田に羨望のまなざしを向ける。

みな一様にそれを繰り返す。

ついでに言えば沖田に羨望のまなざしを向けた後また落胆していく。

沖田を見て。

沖田もかなりの美形だから勝ち目がないと。

結局は顔なのか!!と落胆していく。

それがとても面白い。

端から見て完璧な美男美女の組み合わせ。

二人はとにかく目立っていた。
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