幕末純想恋歌
「…そっか、かまどか。そうだよね。うん。それしかないよね。うん。」

「…何ブツブツ言ってるの?」

「いや、かまど初めて見たなと思って。」

沖田は目をまん丸くした。

「かまど初めて!?かまど無しでどうやって調理するのさ!?」

すごく驚いたみたい。

「ガスコンロってのがあってスイッチ?いれると火が勝手に。」

「すいっち?」

「電源?いや、電源ないか。ん~、こう押すところがあって、うー、説明難しい…。」

「よくわかんないけど、君の時代はすごいってことはわかったよ。かまど、使い方はわかる?」

「あ、なんとなくならわかります。」

「じゃ、すぐ使えるようになるんじゃない?とりあえず今日はご飯僕が炊くよ。おかずと味噌汁は任せるね。あるもので作ってよ。」

「わかりました。手伝っていただいてありがとうございますね。」

「うん。だから君はおいしいの作ってね?」

ニッコリ。

「うっ…。……がんばらせていただきます。」 


笑顔なのに妙な威圧感が……。

……絶対、失敗なんかできないよ……。
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