幕末純想恋歌
「はい。」

「はい?」

ふたつの"はい"は同じ音だけど、持つ意味が全く違う。

状況を説明すると、"米"の入った釜を沖田が葵に押しつけているという状況。

「えっと、確かご飯は沖田さんが……」

「僕は"炊いて"あげるんだよ。"研ぐ"んじゃないよ。」

「…研いでこいってことですね。…わかりましたよ。どうせ、野菜も洗ってこなきゃだったし、一緒に洗ってきます。」

「あ、何作ることにしたの?」

「大根と豆腐の味噌汁と、とろろに梅干し入れます。これくらいなら二日酔いの人も食べやすいと思いますし、これしかなかったです。」

「ふ~ん。ま、いいや。はやく洗っておいで。」

「っく。」

……大人数の食料はとても重かった。     
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