幕末純想恋歌
やっとの思いで米と野菜を井戸まで運んだ。

ものすごーく重かった。

誰かはニコニコ笑って眺めているだけで一切手伝ってくれなかった。

炊いてくれるのだけでもありがたいってわかってるけれど、あの笑顔をみると……なんだか恨めしい。

さっさと終わらせよう。

米は炊く前に少し水に浸しておかないといけないから先に手を付ける。




…米研ぎだけでこんなに大変だなんて思わなかった……!

まず、量が多いから重いし、大きい。

とても大変だった。


それでもなんとか終わらせて、今度は野菜に取りかかろうとしたとき、

ふと、暗くなった。

顔をあげてみるとそこには巨大な男がひとり。


「……女。………何者だ。」 
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