モンスターハンタールチフェル2nd
「このカートを押していきましょ」

 アンはロッカー前に止められていた、ティーカップやらナフキンやらが載っかったカートを掴み、ノアを後方に更衣室を後にした。



「んで、バレなくなったのはいいが、これからどこに向かうつもりだ?」

 ノアはなるべく真っ直ぐな姿勢を崩さず、執事になりきった状態でアンに問いかける。

「とりあえず図書室を探しましょ。
 そこならここ数年に何が起きたか分かる本があるはずよ」



「そうかい。
 俺はてっきり君が読者に目覚めたのかと思った」

「ん~、それは無いわ。
 読者ほど退屈な時間潰しは無いわよ?」

「どうしたらそんな感情が芽生えるのか実に興味深いね」

「あら、私は別に読者が嫌いな訳ではないのよ?
 ただ単にハンター生活に本が必要かどうかよ」
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