モンスターハンタールチフェル2nd
 雫は両手を胸の前で握りしめ、天を仰ぐ。

「一体どうしちゃったのよ?
 突然行方不明になるわ、あなたは死人にされちゃうわで、こっちはものすごい心配してたんだから」

「ごめんなさい。
 私はちょっと、その、使命を果たして来たの。
 これよ」

 アンは右手の平の傷をを雫に見せた。

「これって、私が貸した本に載ってた〝あれ〟?」

「そう、〝あれ〟よ。
 残りの2人を見つけて黒龍を封印してきたのよ!」

「うそ、だってあれは……」



「伝説は本当だったのさ」

 そこでようやくノアが会話に入れた。

 雫は少し信じられないという顔つきでノアを見つめる。

「太古の人類によって封印された黒龍がシュレイド城に現れて、各地のモンスターたちが気が狂ったように凶暴になりやがってな」
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