モンスターハンタールチフェル2nd
 アンは野菜を洗うのを一旦止め、テーブルの陰に隠れてそっとクロスの下を覗き込む。

『どうだ、やったか?』

 カートの荷台にノアが身を潜めながらアンに小声でたずねる。

 口調を合わすようにアンも小声で、

『まだ無理よ。
 料理は出来たらすぐに女王の元に持っていかれちゃう』

『そんな、どうにかできないか?』

『分かった、やってみる』

 そしてアンは立ち上がり、クルリと半回転して歩き出そうとした時、



 ドンッ!



「きゃっ!」
「おいっ気を付けろ!」

 危うく、コックの持っていた料理をこぼす所だった。

「す、すみませんっ!」

「お前、早くあの料理を女王様の所まで持っていけ、こぼしたりするんじゃないぞ!?」
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