モンスターハンタールチフェル2nd
 アンは厨房に急いで戻ってみると、



「遅いじゃないかアン」

 ノアが腕組みしながら壁に寄りかかって待っていた。



「こっちは片付いたぞ」

 そう言うノアの周囲には、ピクリとも動かないコックたちが地面に寝転がっていた。



「誰も死んでないわよね?」

「それがこの国の王女様の流儀だろ?」

 死んでいるのではなく、気絶しているだけのようだ。

「なら良いわ。
 さ、急いで次の作戦に移りましょ!」

「ごもっとも」

 アンが走ってきた通路の方から、何やら扉に体当たりをする音が聞こえてきていた。

 実は、アンが厨房にやって来る時に扉の前に椅子で支えを作り、扉が開かないよう細工を施してきたのだ。
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