モンスターハンタールチフェル2nd
 その内側には油がずっと先まで塗られていた。

「ここに火を近づけてみて」

「え、あ、うん……」

 刹那の指示にアンは戸惑いながらも、ゆっくりと松明の火を近づけていく。



 ぼおっ!!



 触れそうになった瞬間に松明の火が油に燃え移り、樋に沿って炎が瞬く間にほとばしっていった。

 アンは驚愕の表情で松明を持ったまま固まって見ている内に、火はこの空間に巨大な輪っかを作り上げ、今まで暗くて見えなかったものが一行の目前に広がって見える。



「こんな所に、こんな広い空間が……」

「冗談だろ?
 これ、大闘技場じゃないのか?!」

 雫とノアは目を瞬きすることなく、まじまじと今目の前に現れたドーム型の円形状砂地に気を取られていた。
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