モンスターハンタールチフェル2nd
 込み上げてくる感情を抑えるために拳を強く握りしめ、歯をくいしばってはみるが、肩がワナワナと震えてやまない。

「俺は……」



 ポンッ



「っ!?」



 柔らかいものが肩に触れた。

「何を言ってるのよ。
 ノアはあの時言ってくれたじゃない。
 〝お前だけは俺が守る!〟って」



 ノアの肩にアンの手が添えられていた。

 その瞬間、抑えきれなかった感情が何かに蓋を閉められたように心の中に封をされる。

 アンのあたたかい手の温もりが、ノアの感情全て――否、ノア全てを包み込んだのだ。



「誰が何と言おうと、ノアはノアよ」

「アン……

 だけど俺は……」



 バシッ!!
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