モンスターハンタールチフェル2nd
「2人とも……ありが、とう……」

 息も絶え絶えにアンは嬉しそうに笑ってお礼を言うなり、フッと意識が飛んで気を失ってしまったのだった。



 ・ ・ ・



 それからの事、慌てふためく中、ノアはずいぶんとしつけがされていたリオハートの背にまたがり、ティアラをかぶったアンを自分の背に紐でくくりつけて落ちないようにした。

 そして医務室へ向かうため、刹那と雫を置いて先に天井に空いている抜け道から外に出た。



 ノアはしっかりと、リオハートの背中に生えている、毛のように細く密集している棘を握りしめる。

 左右で力強く空をとらえる剛翼が風を切る音を鳴らして、ついにはフワリと体が宙に浮いてゆくのをノアは体感していた。
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