モンスターハンタールチフェル2nd
 使うことの無かった大剣を構えながら近づいてくるアレックに対して、ルチナは険しい表情で手のひらを見せて止まれの合図をする。

「下にいるのか……?」

「多分、2体ほど……」

「殺るか……」

「行くわよ」

 ルチナを先方に2人は階段を物音立てずに下りていき、一階にたどり着いた時には、昨日見た宿屋の落ち着いたカウンターの面影はなく、あちこちにガラスの破片や壊れた机や椅子が散らかっていた。

 見るも無惨なフロアに、今は赤い生き物の影が2つ揺らめいている。

「めちゃくちゃね」

「何でイーオスが……」

「シッ!」

 アレックの言葉をルチナが突如遮った。

 その後だ……



「……!!」



 2人が壁から覗き見ていると、すぐ脇の出入口から赤い影がヌッくと入ってきたのだ。
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