アビリティブレイク

「はーぃ♪ 少しチクッとしますよ~」

魔法学校"御法川高校(みのりかわこうこう)"の一室。保健室にて…、

「さっさと注射終らせろ! 後がつっかえてんだからな!」

五つ並べられた机に向かい合うように座る生徒と看護師。
看護師はちょちょいと慣れた手つきで注射を終らせ、後ろに並ぶ生徒が次から次へと順番に座っては注射を受けている。

一学年指導責任者。アクセルは長身に右目に眼帯という見た目から少々近寄りたがい存在。

「いいかー? この注射は"アビリティ回路"を構成させる特殊な物質で、まだ研究段階にあるがお前らの身体に特に害はない! だから安心しろー」

ひとりの男子生徒が手を挙げた。

「アクセル。質問がある」

センセーを付けろ! と指摘しながら、

「……カイト、言っておくがオレとお前は同性……、悲しいがオレとお前はどうやっても結ばれな――」

「何の話を言っているんだ?」

手際よく……否、呆れたツッコミを入れる。男子生徒。

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