アビリティブレイク

「せ、先生、質問いいですか?」

「なんだ、今度は佐藤か。言ってみろ」

護はアクセルと目を合わせる。

「日常生活で四大元素を利用するために、人の身体を媒介にしないといけないのは何故ですか?」

「……」

暫しの沈黙。
生徒の視線が護に向けられる。
急にアクセルの視線が鋭くなる、

「――アッハハハハ! 何を言い出すのかと思えば、そんなコトか!」

突然笑い出したアクセルに釣られて、先程まで沈黙していた生徒達も一緒になり笑い出した。

「そんなコトって……」

「カイト。佐藤の質問に答えてやれ」

「あ? どうしてオレが……」

いいからいいからとアクセルに言われ、仕方なく質問に答えるカイト。

「マヌケ、よく聞け。"アビリティ回路"は人の深層意識の中に住む喜怒哀楽に左右されやすい。人に意思があるように四大元素にも意思があるということだ。四大元素の場合、喜=大地、怒=火、哀=水、楽=空気。この力は人という形のソケット、四大元素という形の電池を組み合わせて初めて力を発揮できる……覚えとけ」

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