アビリティブレイク
パチパチと生徒達の拍手が飛び交う。
「すばらしい。まさに教科書通りの回答だな! さすが筆記トップでこの学校に入っただけはある」
「フン。出来て当然だ」
興味無さそうに吐き捨てる。
「――だが、少し足りないな。実際、人を媒介にして使える四大元素は四つの内に一つだけだ。だからまだ研究段階ってこと! これでいいか?」
「……あ、あの……僕が聞きたいのは、何故人を媒介にしないとその力が使えないのかってコトで……」
「人の身体は四大元素との相性が一番いい。研究には打ってつけってコト!」
急に護とカイトの間に割って出てきたのは女子生徒。
茶髪にショートカットヘアがよく似合う。
「鈴倉 響子…だっけか?」
アクセルはアゴに拳を当て一生懸命思い出す仕草を取りながら言う。
「……でも、気に入らないわね。私たち生徒は科学者のモルモットってコトでしょ? あんたら何様?」
アクセルはやれやれ、というアクションをとりながら、
「おぃおぃ……何様ってそりゃないでしょ。もともと、この学校を受けるのは自由。お前だって自分から進んでこの学校に入学したんじゃないのか?」
響子は拳を強く握る。
「……今に見てるといいわ。必ず後悔させてやるから!」
他の生徒を押しのけ、椅子に座り注射を受ける響子。
「さっ! 話はしゅーりょー! 早く注射受けちまえ、佐藤も後ろつっかえてんだから、さっさとしろ!!」
「あ、はい!」
――そして、今に至る。