姫と魔界の5人の魔女。


「リュウナもカレンもアヴィも…みんなローズが食べたの…」


食べた……。


「だってローズ、満月の夜になると狼になっちゃうんだもん。」


気がつくとローズは大きな狼の姿になっていた。


ローズの低い声が部屋中に響き渡る。


「気づかなかった?今日は満月なんだよ?」


ゆっくりと足音をたてずにこちらへ向かってくるローズ。


「今日は大切な客だったけど、もう限界なの…。。」


ガルルル…


そう一声言うと私の方へ飛びかかってくる。


「きゃあああぁぁ~!!」


鋭い犬歯が私の顔の近くまで迫る。


せっかく魔界に来れたのにもう二度と萌花と顔も合わすことなく死ぬのかな…??


怖さのあまり、強く目をつぶる。


「やめろ、ローズ!」


私の前に立ち、剣でローズを弾き飛ばす男がいた。


「大丈夫かい?君。」


振り向く男。


銀髪の髪が大きく揺れる。



< 11 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop