遠い恋-あの空を見上げた日-
夏休みも半分を切っていた
8月半ば、
同じ部活の子たちで
電車に乗り遊びに出掛けた。
9人での大移動は
何とも奇妙だったが、
海を見てはしゃいだりと
たわいのない時間を楽しんだ。
何とも仲の良い部活だった。

夕方一度家に帰り
暗くなった頃に
何人かがまた
私の家の前に集まった。
「花火結構あるなあ」
夏休みお決まりの花火だ。
遊んだ帰りに買い込んだ花火を
道端にばらまいた。

手持ち花火に次々に
火を付け始めた。
まだまだ子供の中学2年生は
花火を2本も3本も持って
走ったり振り回したりした。

「トイレ行ってくる」
そう言って私は
家の中に入った。
用を足してもう一度
外に戻ろうとすると、
後ろから母さんの
声が聞こえた。

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