☆ANGELとDEVIL†・。・。天界の姫と魔界の王子・。・。


私は静かに深呼吸をした。

「お初にお目にかかります。藤咲万里子と五十嵐李人の娘、大空真李亜と申します。以後お見知りおきを、大天使様。」

私はその場で一礼してお祖父様を見つめた。

「…………。」

やれるだけの挨拶はしたわ。私なりに頑張った。お祖父様は厳しい方だと聞いている、それだけにこんな挨拶ではいけないと分かってはいるけど、私なりに一生懸命やったから悔いはない。

すると、黙っていた大天使様が突然笑いだした。

「ハハハハハハッ!遠い所からよく来たね、真李亜ちゃん。顔をよく見たい、こっちにおいで♪」

「………え……?」

「ほらっ!早く行きなさい♪」

お母さんが背中を押した。

「ぅわあ!」

「おっと、大丈夫かい?」

「あっ!…はい、ありがとうございます!!」

「ハハハッ。そんなに敬語を使わなくてもいいよ。ワシは真李亜ちゃんのおじいちゃんなんだから♪家族だけの時は堅苦しいのは無しじゃ!」

「は…!…うん。」

「よしよし。」

お祖父ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた。それに温かくて優しい笑顔…。お母さんによく似てるな。



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