【短編集】涙の流れるその原因に
藍吏
「ねぇ、秋哉。あたし強くなりたいよ」
俺の部屋のベットに座って手で顔を隠しながら。
嗚咽を抑えながら。
必死になりながら。
そう言う幼馴染に俺は何度反論したいと思っただろう。
いつもそうして泣いて喚いて辛そうにする。
そのくせ、アイツを諦めない。
アイツに恋したまんま笑おうとする藍吏。
なぁ、そんなにアイツがいいのか?
浮気、してるんだろ・・・?
その所為で俺のところに泣きにくるんだろ?
.