【短編集】涙の流れるその原因に






珍しいな。

ここ近所の小学生も知らないくらい寂れててほとんど訪れる人居ないのに。

知ってる人は私とあの人だけだと思ってた。






じっと観察していると不意に彼が顔を上げた。







どきりとした。

黒く艶やかな髪も

ちょっとつり目がちな目尻も

高めの鼻も

薄めの唇も。

あの人に似ている、と思ったから。




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