【短編集】涙の流れるその原因に





「あ、初島璃子さんですか?」

え…?

唇の隙間から声が漏れる。

なんで私の名前知ってるの…?







「はじめまして、朝露です。

…一応、雨童子なんて呼ばれる者です」

信じてくれますかね?と苦笑した彼。

呆気にとられた。

―――また『雨童子』という言葉を聞くことになるなんて。




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