【短編集】涙の流れるその原因に
「『さっき別れてしまったよ。
仕方がない、そうするよう仕向けてしまったから。
…きつかったけれど。
けれどアイツらは酷いからな…。
巻き込まない為には仕方がないんだっ…!』
そう言って泣いていました」
…え?
「芳也は狂ってなどいませんでした。
全てはあなたを守る為、その為の演技でした」
息を飲む。
「……アイツは根が優しすぎるんですよ」
朝露はふわりと優しく苦笑した。
「彼は僕にあなたを見守るよう頼みました。
だから僕はあなたに会いに来たんです」
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