【短編集】涙の流れるその原因に




「おい、雄大!」

つられて廊下を向くとひょろりとした知らない男。

たいちゃん、と月島さんが呟いた。

さっきまで笑っていた顔は無の状態になっていて、目は細められていた。

複雑そうな表情をしていた。








「雄大!…と塔子?」

「久しぶり」

彼女を見つけると過剰に体を揺らしたひょろ男。

月島さんは彼を一瞥してから静かに友達のいる席へと戻ってしまった。

なんだ?








「まーだあの2人仲良くはなんねーか」

ぼそっとぼやいた宮内の言葉に反応した。

コイツに聞けばわかるかも!

「なぁ、アイツ誰?つかあの2人なんかあったのか?」

「う〜ん…勝手に言っていいのかな?」

「いいんじゃね?」

「じゃあ俺が言ったことは黙っといてくれよ!?」

「了解!」






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