【短編集】涙の流れるその原因に
そう、それから、気になって仕方ない。
もう音楽室の前を通るようになって5日。
今日も音楽室に向かう足。
彼女はいるだろうか。
階段を下りると俺と同じ方向へ向かうひょろ男がいた。
まさか音楽室へ?
胸騒ぎがして小走りで向かった。
「塔子、今でも好きだ!」
「あんたとは付き合えない。だから離して!」
音楽室の扉を開けるとひょろ男に腕を掴まれた月島さんがいた。
頭に血がのぼる。
「離せよ!嫌がってるのもわかんないなんて最低だな!」
2人の間に割り込んで腕を離した。
「お前には関係ないだろ!
「たいちゃん!この話しはもう終わったことでしょ!?もうやめてよ!!」
毅然とした態度を見せる月島さんにびっくりした。
「付き合うとか無理だよ。他の人を見つけて…?」
ひょろ男は情けない顔をしながら音楽室を出て行った。
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