坂の上の恋
入学して1ヶ月が経ち、クラスでも
いくつかのグループが出来だした。
みかん「菜央〜ジュース買いに行こうよ」
人見知りが激しい菜央だったが
なんでだか、みかんは遠慮なく
一緒にいれる存在になっていた。
菜央「いいよ〜」
2人わ学校の食堂にある自販機まで歩きだした。
ペーコ「オイッ!!なんで牛乳なんだよーッ!!」
自販機の前で暴れ回っているチリチリ頭の男子がいた。
れん「わはは〜まぢうける〜」
手を叩いて笑っている。
あみ「あのチビに勝手にジュースおされちゃったわけか〜(笑)」
納得しながらニヤけた。
菜央わ自分の飲みたいジュースのある自販機の前に行き、お金を入れボタンを押そうとした時、
「ガタン..」
まだボタンを押していないのに
イチゴオレが落ちていた。
れん「わはは〜」
横から勝手にれんがボタンを押していた。
菜央「.....」
菜央わ眉間にシワを寄せ、
出てきたイチゴオレをゴミ箱に
投げ入れ、その場から立ち去った。
れん「そんな怒らんでもいいやーん」
れんが後ろから叫ぶ。
みかん「菜央はイチゴオレが大嫌いだからなあ〜」
笑いながら、れんの肩に手を置いた。
れん「かなり怒らせちゃったみたいなねえッ...」
れんは申し訳なさそうに呟いた。
みかん「菜央ー、待ってよー」
後を追うように走った。
みかんは菜央に追い着き
一緒に教室にむかう。
「キーンコーンカーンコーン..」
チャイムが鳴り響いた。
菜央わ少し不機嫌そうに窓から
外を見ていた。
れん「さっきはごめんよ〜」
れんは笑い混じりに謝った。
菜央「....」
「コツッ...」
菜央に何かが当たった。
振り替えると近くに消ゴムが
落ちていた。視線を戻すと
机にプリントをちぎった紙切れが
置いてあった。
『いまさっきは、ほんとにごめん。今度お前の好きなジュースプレゼンします。れん』
菜央はおもむろにペンを持ち、
『マッチ』とだけプリントに書き
小さく折り、れんに投げた。