ベイビー ラヴ
「一成!!」
柚子の声が聞こえた・・・ような気がした。
柚子のことを考えすぎて・・・
「かーずーなーりー」
だんだん近くなる声に、俺は焦り出した。
ヤバい!!
柚子が近くにいる。
まだ・・・心の準備が・・・
足が勝手に走り出そうとしたとき、
「待ってって!!」
息を切らし、怒ったように腕を掴んだ柚子。
「ホントにもう!!」
息を整えながら、睨んでくる。
その姿さえ愛しく思うほど俺は、柚子が好きで。
「ったく・・・」
ブツブツ言う姿さえ、抱きしめたくなるほど俺は、柚子が好きで。
別れたくなくて・・・
気づけば涙が、頬を伝っていた。