遠い宇宙の果てで
魔法の腕輪
愛美は小学4年生のごく普通の女の子。ただ一つ、お母さんに言われて中学受験の勉強を始めたばかりでちょっとそのことを憂鬱に思っている。
愛美の家では、ピノというオスの栗色の柴犬を飼っている。年齢は5才であり、まだまだ元気一杯ではあるが、子犬だったころよりは物を心得るようになっているのか普段はおとなしくしている。ピノがはしゃぐのは愛美との散歩の時だけ。散歩コースを記憶しており、子犬のころのように愛美が握るたずなをぐいぐい引っ張ることはない。ピノが大好きなのは、初夏の青々とした草の匂いをかぐことであり、愛美はそのせいで幾度も立ち往生することになる。
ある秋の日の夕方、愛美はいつものようにピノと一緒に散歩をしていた。そして公園の前を通り過ぎようとすると、ピノが公園に入ろうと愛美が握っているたずなをぐいぐい引き始めた。
(あれ?どうしたんだろう。)
普段大人しく散歩コースを行くピノを知っている愛美は不可解に思った。そして何か理由があるのかもしれない、と思ってピノの行こうとしてるところに行ってみようと思い、たずなを軽く握った。すると、ピノは公園の草むらの方へと向かって行った。愛美もそれに付いていった。
(なんだ、今は秋で草が少ないから久し振りに草の匂いが嗅ぎたくなったんだ。)
と思い、そのままピノの思うようにさせてあげることにした。ピノは草むらで鼻をくんくんさせていた。愛美はその様子をしばらく見た後、夕焼けの明かりに染まる公園をぼーと見渡していた。すると、急にピノが穴を掘り始めた。ピノが穴を掘るのを見るのは庭で穴を掘った時以来4年振りだった。愛美は4年前、弟のタイムカプセルをピノが掘り起こし弟をカンカンに怒らせたことを思い出した。
(ひょっとしたら、何かこの土の中にあるのかもしれない。)
愛美は興味津々になってピノが一生懸命動かす前足の辺りを見ていた。
しばらくすると、ピノが掘り起こす地面から、何やら小さな宝箱が現れた。赤い色をしており、細かな金の装飾がほどこされている。ピノはワンっと一吠えするとその地面の脇によって座り込んで宝箱を眺めた。愛美はそれを手に取り、中を開けて見た。その中にはいかにも高価そうなブレスレッドが入っていた。
(奇麗・・・。)
愛美はそのブレスレットを取り出し、いろんな角度から眺めていた。様々な色をした四角
愛美の家では、ピノというオスの栗色の柴犬を飼っている。年齢は5才であり、まだまだ元気一杯ではあるが、子犬だったころよりは物を心得るようになっているのか普段はおとなしくしている。ピノがはしゃぐのは愛美との散歩の時だけ。散歩コースを記憶しており、子犬のころのように愛美が握るたずなをぐいぐい引っ張ることはない。ピノが大好きなのは、初夏の青々とした草の匂いをかぐことであり、愛美はそのせいで幾度も立ち往生することになる。
ある秋の日の夕方、愛美はいつものようにピノと一緒に散歩をしていた。そして公園の前を通り過ぎようとすると、ピノが公園に入ろうと愛美が握っているたずなをぐいぐい引き始めた。
(あれ?どうしたんだろう。)
普段大人しく散歩コースを行くピノを知っている愛美は不可解に思った。そして何か理由があるのかもしれない、と思ってピノの行こうとしてるところに行ってみようと思い、たずなを軽く握った。すると、ピノは公園の草むらの方へと向かって行った。愛美もそれに付いていった。
(なんだ、今は秋で草が少ないから久し振りに草の匂いが嗅ぎたくなったんだ。)
と思い、そのままピノの思うようにさせてあげることにした。ピノは草むらで鼻をくんくんさせていた。愛美はその様子をしばらく見た後、夕焼けの明かりに染まる公園をぼーと見渡していた。すると、急にピノが穴を掘り始めた。ピノが穴を掘るのを見るのは庭で穴を掘った時以来4年振りだった。愛美は4年前、弟のタイムカプセルをピノが掘り起こし弟をカンカンに怒らせたことを思い出した。
(ひょっとしたら、何かこの土の中にあるのかもしれない。)
愛美は興味津々になってピノが一生懸命動かす前足の辺りを見ていた。
しばらくすると、ピノが掘り起こす地面から、何やら小さな宝箱が現れた。赤い色をしており、細かな金の装飾がほどこされている。ピノはワンっと一吠えするとその地面の脇によって座り込んで宝箱を眺めた。愛美はそれを手に取り、中を開けて見た。その中にはいかにも高価そうなブレスレッドが入っていた。
(奇麗・・・。)
愛美はそのブレスレットを取り出し、いろんな角度から眺めていた。様々な色をした四角