遠い宇宙の果てで
の石が銀の輪っかに埋め込まれており、夕日の光に反射して各々の石はいろんな色に変化し、各石で同じ色の石など無かった。
愛美は試しにそのブレスレットを自分の腕にはめてみた。ブレスレットはとても大きく、愛美の細い腕首に簡単に収まった。すると、突然愛美は激しいめまいを感じ、視界はどんどんもうろうとしてきて、しまいには意識を失ってしまった。


気がつくと、愛美は青空の中を飛んでいた。足もとには青々とした山山や一筋の谷がとぎれとぎれになっている雲の下に見える。なんと大きな鷲が愛美の両腕をつかんで空を飛んでいるではないか。愛美は猛烈なスピードで大自然の上空の中を進んでいるのであった。愛美は試しにその鷲に向かって
「どこへ向かっているんですか?」
と問いかけてみた。するとその鷲が嘴を動かしているのが見てとれ、
「君を必要としている人たちのところだよ。」
と落ち着きのあるいかにも思慮深そうな声がビュービュー吹きすさぶ耳元からかすかに聞こえてきた。愛美ははてと思ったが、こうなったらもう成り行きに任せようと思った。そしてはっとして
「ピノは?」
と聞いた。
「彼は私の背中にいるよ。魔法で無速にしてあるんだ。」
愛美はその鷲を眺めていたが、ピノの姿が見えない。
「ピノのお知り合い?」
「彼の夢に出てきて伝えておいたのさ。彼はとても賢い。」
「ここは一体どこなの?」
「地球とは別の銀河系にある惑星さ。君はあのブレスレットの魔法によってピノと一緒にこの惑星に送り込まれたんだ。」
鷲は更に上空へと飛びあがり、空の旅は分厚い雲の上に差し掛かり、下が見えなくなってきた。すると、太陽の光で鷲の空飛ぶ姿の影が雲に映り、そこにピノが立っている姿も映った。愛美はその雲に向かって笑顔で手を振った。そして鷲にさらに問いかけた。
「なぜ私がここに送り込まれたの?」
「それは君の力がこの惑星の平和のために必要になったからさ。」
「この惑星は一体何?」
「この惑星は地球の前世の姿なんだよ。その惑星が滅ばないようにしてくれたら、地球はもっと素晴らしい場所になる。」
「地球に前世があるなんて知らなかった。戦争が勃発して、地球がどんどん暑くなっていてごはん食べられなくて死んじゃう人が大勢いるのは、前世の時の罪の罰っていうことなのね。」
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