超イケメン☆ホストクラブ【番外編】
――用意を整え、玄関に行くと、既に三日月が待っていた。

ブルーグレーのロングタキシードに身を包み、胸元には純白のチーフを挿し、細いチェーンの付いたラベルピンを飾っていた。

そのあまりのかっこよさに、呆然と立ちすくむ。

「三日月…だよね?」

そう聞かずにはいられない程、彼の姿は優美だった。

「はい」

と、一言、三日月が返す。

もの静かで落ち着いた声音は、確かに三日月のものに違いなかった。

「すごい…かっこいいんだけど……」

思わず感嘆の言葉を漏らすと、

「そうですか、ありがとうございます」

と、薄く微笑んで、三日月はこう切り出した。

「理沙様、今夜の舞踏会では、私はあなたのパートナーとして過ごさせていただきます。

今宵ひとときは、主従であることを忘れて、過ごすことができればと思っております」

「わかった……」

夜会の場をうまく乗り切るためにも、それが得策に感じられた――。
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