超イケメン☆ホストクラブ【番外編】
仮面を着けた男女が入り混じる舞踏会で、

ひときわ周囲の視線を集めていたのは、三日月だった――。


ブルーグレーのタキシードの裾を翻して、

会場の中央で女性と優雅に踊る三日月を、私は遠巻きに見ていた。


(もっと三日月の反応を楽しむはずだったのに……

こんなところに来てまで、あの男は完璧だなんて……つまらない……)


思惑がはずれたことで、舞踏会自体にもあまり興味がなくなってしまい、ひとり会場の外にある庭へ脱け出した。

広い庭園には、大きな噴水があって、私はそのへりに足を投げ出して座った。
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