むかつくあいつ
するとその瞬間、
寝ていた佐々木の目が
ぱちっと開いた。
『!』
「聞いちゃった♪」
『あ、あんた…起きてたの!?』
佐々木は何も言わず、
勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
や…やばい…
聞かれちゃった……
今すぐここから逃げたくて、
あたしは開きっぱなしの鞄を持って
教室から出ようとした。
でも、佐々木に腕を掴まれて、
逃げることを阻止されてしまう。
『…離してよ』
「質問に答えてくれたら、離す」
『なによ…』
そんなまっすぐにあたしを見ないでよ。
なんだか泣きたくなってきた…