こいのはなし。
これは、マジでやばい。
そう思って、ぼくは辺りを見回した。
でも、どうしても逃げ道が見つからない。
ポケットから財布を取り出して、
「ぼく、いまこれしかないの。逆さまに振っても、これしかないのね」
財布の中には200円。
ヤンキー崩れは、苦虫を噛み潰したような顔で、ぼくの胸ぐらを掴んだ。
「ひっ」
喉が鳴る。こわい。まずった、これは間違いなく、死――――
「どぅふっ!!」
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