こいのはなし。
走って、走って、公園の前まで来た。
「ちょ…、も…、むりっ…、はしれな…!!」
ぼくが立ち止まると、少女は同じく立ち止まって振り返る。
「だらしない」
「ぼくは繊細なの!!」
「…なまっちょろいだけだろ。だからあんなのに絡まれるんだ」
「なまっ…!? ちょっと、それ失礼じゃない!?」
「間違ったこと言ってないだろ」
「助けてくれたのは有り難いけどね!!ぼくが悪い訳じゃないでしょ!?」
「襲われやすい隙があったんだろ」
もう、我慢の限界!!
「別に、助けてってお願いした訳じゃないじゃない!?そっちこそ、女の子なのに、男の子バタバタ投げ飛ばしてさ!!」
「なんだよ!!あたしがなんだって!?」
迫力が有りすぎる怒号にぼくはビビってしまった。