こいのはなし。
 まるでモンスターに遭遇したような心持ちだった。

外観をしばらく眺めていたけれど、眺めていたってプレゼントは手に入らない。

僕は、意を決して、店内へ入った。


ドアベルが小さくチリリン…と鳴った。


「いらっしゃいませ」


幸いにして、客は僕ひとりだった。


カウンターには、物腰の柔らかな女性の店員が一人。

雰囲気から、僕より少し歳上くらいの感じだ。



入り口にはカントリー調の籐のカゴが置かれていて、それはどうやら、買い物カゴらしい。



入ってすぐはアクセサリーコーナーで、手作りらしいビーズなんかの品物が並んでいる。



取り敢えず、プレゼントをする相手が男なので、ペンダントなんかのアクセサリーが置いてあるそのエリアはスルー。



奥へ目を向けると、どうやらそこは雑貨を置いてあるエリア様だった。


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