こいのはなし。
ふと、ブリキの小さなバケツにハーブを育てるキットが目に入った。



これでいいか、と。



僕はそれを2つもって、レジへと向かった。




「これ、人気なんですよ」


レジへ置いたバケツを見て、店員さんはニコニコと笑いかけてきた。


「そうなんですか?」


「えぇ」


「へぇ。そうなんですか」

「プレゼントですか?」


「あ、はい」


色は?と聞きながら店員さんはプレゼント包装の支度をする。


青系で…と言いかけて、薄い青で、可愛い感じに…と付け加えた。


「うちの店、男の子一人で来るのは勇気が要るでしょ?」


「えぇ、まぁ」



「どうかしら?」


包装紙の色チェックに差し出されたプレート。



僕の目はそのプレートから、違う所へ向かった。





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