サクラ舞う。
今日は塾。
わたしが楽しみにしてるのは
勉強じゃない。
あの人に会えるから。
「じゃぁ、いってきまーす」
「いってらっしゃい」
夜6時40分。
家をでた。
塾に向かう道。
足がだんだん駆け足になる。
「あっ、きたー」
「ごめんっ><」
「じゃ、いこっか」
「うん!」
杪河 菜々(ハシカワ ナナ)
柴崎 由華(シバサキ ユカ)
同じ塾に通ってる子。
わたしは
教室に入る前に髪を何度も確認して、何度も服を整えた。
がちゃっ―――
タイムカードをさして
自分の席に行く。
「…まだ来てないのか……」
「おいっ!どけ。い・た・ば・し!」
「はっ、一くん!」
「まだ、きとらんなー(笑)」
「うるさい!てか、別に待ってないしー」
「ふーん?」
がちゃっ
「あっ、板橋ぃー」
パッ――
わたしは振り返った。
「…板橋くん………」
板橋 涼(イタバシ リョウ)
わたしの
好きな人。
「いったばしー!」
(…一くん!声がでかいっつーの)
わたしは
ニコニコして
席に着いた。
「うわーなんか笑ってるー」
「うわぁー怖い怖い。」
「エヘヘー」
「ほら、席つけー」
授業が始まった。