サクラ舞う。


「皆さん?」
急に後ろから声がした。
「えっ?」
わたしたちは振り返った。
「初めまして。私、マリアといいます。」
そこにいたのは、
きれいなドレスをきて、
絵本にでてくるような
お姫様みたいな人だった。
「…あの?」
「やっとそろいました…」
「えっ?」
「量子様、万佑花様、一様、優作様、涼様、仁志様…あなたたちには、そろそろ移動していただきます。」
「移動?」
みんなの質問には一切応えず、
話しを進めていった。
「皆さん、これからわたしが『いい』っていうまで、決して目をひらかないでください。」
「えっ」
「はっ?」
「もし、目をひらいたら…あなたたちはきっと…」
…ごくっ
マリアさんの言い方が
あまりにも怖くて
わたしたちは
なにも言えなかった。

「いきますよ、…みなさん、目を閉じてください。」
ちらっ―
量子ちゃんや一くんたちの方をみるとみんなお互いの服とかつかんで、目をつむっていた。

きゅっ―











それからのことは
あんまり覚えてない。






目がさめたら

量子ちゃんが
わたしを心配そうに
のぞいていた。




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